Honda・ホンダは日本の宝です。わっぱおやじ

トヨタ自動車：７１年ぶり営業赤字に転落　３月期決算で

０９年３月期の決算発表で、グラフを示しながら会見するトヨタの渡辺捷昭社長＝東京都文京区のトヨタ自動車東京本社で２００９年５月８日午後３時４分、手塚耕一郎撮影　トヨタ自動車は８日、０９年３月期連結決算を発表した。世界的な自動車不況に円高の影響が重なり、本業のもうけを示す営業損益は４６１０億円の赤字（前期は２兆２７０３億円の黒字）で、創業直後の１９３８年３月期以来７１年ぶりの営業赤字に転落。売上高も前期比２１．９％減の２０兆５２９５億円と９年ぶりの減収となった。

　最終（当期）損益も４３６９億円の赤字（前期は１兆７１７８億円の黒字）と５９年ぶりの赤字を記録。０９年３月期の年間配当は前期から４０円減配して１００円とする。三菱商事が同日発表した０９年３月期連結売上高は２２兆３８９１億円だったため、６年続いた国内事業会社売上高トップの座から転落した。

　１０年３月期も新車販売の落ち込みが続くと見ており、売上高は前期比１９．６％減の１６兆５０００億円と２期連続の減収を予想。営業損益は８５００億円の赤字、最終（当期）損益も５５００億円の赤字と、０９年３月期から一段の悪化を見込む。

　トヨタの０９年３月期の連結販売台数（子会社のダイハツ工業、日野自動車を含む）は、昨秋以降の世界不況の深刻化で、前期比１３４万台減の７５６万台と０４年度水準まで急減。この影響で１兆５０００億円近く利益が吹き飛んだ。

　さらに、為替レートが前期に比べ、対ドルで１３円、対ユーロで１８円の大幅な円高となったため、為替差損が７６００億円に膨張。販売不振と円高打撃を主因に連結営業損益は前期から２兆７０００億円も押し下げられ、歴史的な赤字決算を余儀なくされた。

　１０年３月期の連結世界販売台数は０９年３月期比１０６万台減の６５０万台と、６年ぶりの７００万台割れを想定。内訳は北米が３５万台減の１８６万台、欧州が１４万台減の９２万台、日本が２万台減の１９２万台としている。

　渡辺捷昭社長は会見で「厳しい経営環境が当面続くと覚悟せざるを得ない」と説明。１０年３月期は原価低減や設備投資など固定費削減で８０００億円の収益改善を図る方針を示し、１１年３月期の黒字転換に向けて収益体質の一段の強化を目指す考えを強調した。【米川直己　毎日JP】